成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

2014-01-01から1年間の記事一覧

「すき家」労働環境改善に関する第三者委員会。「ビジネスモデル」「組織人事」のプロ不在では意味がない。

「ブラック企業大賞」のノミネートを避ける様に7月31日、「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が発表されました。 提言に書かれていることは至極ご尤もなものですし、どれもこれも実行した方が良いものであるのは間違ありません。…

サントリーのパワハラ訴訟から考える企業防衛法。決め手は「予防」と新しい「賠責保険」。

サントリーホールディングスの男性社員が上司からパワハラを受けて休職を余儀なくされ、同社と上司らに2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が昨日7月31日東京地裁であった様です。裁判長はパワハラを認め、同社と上司に297万円の支払を命じました。サント…

超人手不足時代の「採用力向上プロジェクト」(2) ~「柔らかな働き方」を追求して優秀な人を採る~

中小企業やベンチャーの採用のお手伝いをしていて一番困るのは、経営者が自社の「採用力」に対して客観性を欠いている場合です。これからの「超人手不足時代」では、この辺りのセンスの有る無しが、経営者の資質としてクローズアップされてくるでしょう。 「…

ワタミの再生は至難の業。社長が「労使関係は基本的に存在しない」という発言するようでは…。

ワタミの桑原豊社長への東洋経済のインタビュー記事を見て、正直この人がトップではワタミの再生は難しいと感じました。 私はアンチ・ワタミではなくて、「和民」はあまり使ったことがありませんけど、焼き鳥業態の「炭旬」などはどちらかというと好きですし…

超人手不足時代の「採用力向上プロジェクト」(1) ~「ホワイト証明」という入り口~

想像以上のスピードで「超人手不足時代」が進行しています。新卒採用では昨日のこの読売新聞の記事を見ても分かる通り、2015年新卒採用で一気に「売り手市場」に反転。中小やベンチャーの採用難は鮮明になってきています。 この流れは当然第二新卒を中心とす…

「採用担当」の過労死を心配してしまう「新卒採用」の過熱ぶり。「人事」まかせからの脱却がキーワード。

2015年新卒がほぼ峠を越えたかと思えば、2016年新卒のインターンシップが酣です。 2015年新卒が峠を越えたと言っても、採用目標人数に達しない企業はまだ継続して採用活動をしていますし、今年の様に一転「売り手市場」になると、何より「内々定者」のフォロ…

「NPO法人労働者を守る会」の会員社労士を顧問にすることのメリットとは?

この度「NPO法人労働者を守る会」に入会させて頂くことになりました。昨日会った大阪の社労士さんには「企業、事業主側から敬遠されないか」と心配されましたが、ご厚意には大いに感謝しつつ、「全く心配ご無用」とお答えしました。 それは何故か? 今現に顧…

「コミュニティ・ユニオン(合同労組)」に対する理解は、最早経営者の必須知識。

仕事になるならないは別にして、相変わらず企業側(使用者側)からのスポットのご相談事として多いのが、「コミュニティ・ユニオン(合同労組)」にまつわるものです。中小企業や私が接点の多いベンチャー企業の場合、「組合を作ることを認めた覚えもないの…

「従業員持株会」を人材マネジメント上のスキームとしてどう活かすか。

「従業員持株会」は、ファイナンスやタックス(節税)上のスキームとしては頻繁に語られます。しかし実際には、人材マネジメント、HRM上のスキームとしても、とても大きな意味を持つのに、それについてはあまり研究されてこなかったのではないか。そう私…

「情報漏洩」防止のための労務管理。ベネッセ型(外部再委託型)より怖い退職者漏洩型。

ベネッセの「個人情報漏洩問題」が大きな話題となっています。今回のケースは子会社から外部業者への再委託のところで名簿が流出したもののようですから、間接的にはともかく、直接には労務管理上の問題ではありません。 しかし、入退社の多い企業を中心に、…

成長する組織の「人材マネジメント」は「政略」「戦略」「戦術」の三つのレベルで考える。

高校時代に、受験勉強も放り出して司馬遼太郎の歴史小説にはまった時期がありました。普通の司馬ファンというのは『竜馬がゆく』から入っていくのでしょうけど、私の場合、何度も読み返したという意味では、幕末の洋学者で戊辰戦争の新政府軍を指揮し、短期…

「働き方・休み方改善コンサルタント」を政府が来年度導入予定。WLB施策だが、採用にこそ活かしたい。

先日労働側の視点で労働問題解決ブログの方でも取り上げましたが、「朝型勤務」などの働き方改革について、労務管理の専門家による無料相談窓口を全国に設けるべく政府が検討しており、厚労省が27年度予算の概算要求に費用を盛り込む見通しだとのことです。 …

「社員全員を人事部配属」という面白法人カヤックの面白すぎる一手は「奇策」ではなく「正攻法」。

首都圏に比べればずっと周回遅れだった近畿圏でも、雇用環境は大幅に改善し、人手不足感随分と拡がってきました。地方はまだこれからでしょうが、中長期的な労働力不足は明確ですし、何せ少子高齢化で若年労働は逼迫していきます。 もちろん業種や組織風土、…

「ダンバー数」を意識した人材マネジメント。ホールディング×分社化、アメーバ経営の効用には理由がある。

イギリスの人類学者、進化生物学者であるロビン・ダンバーが定式化した「ダンバー数」は、人間にとって平均150人(100~230人)が「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」であるとするものです。 私もこれについては、経験的には非常に妥…

「退職給付」はどうあるべきか。求めるワークスタイルとシンクロしてますか?

今日は「賃金後払い」の性格を持つ「退職給付」のあり方について。 私が以前に管理部長を務めた企業では、私の転職前から「確定拠出年金」をやっていました。私は、その事務処理の大変さと、関与する金融機関の手数料等を考えると、全くメリットがないから止…

NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観て思ったこと。

昨晩、NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観ました。元々30分番組にコンテンツ詰め込み過ぎの傾向のある番組ですが、昨日は特に酷かった様に思います。個々の取材素材が悪いわけではないのですが、最後までなにが言いたい…

「ブラック企業」風評と株主総会。「業態転換」の前に「労使関係改善」ではないのか?

産経新聞がワタミの株主総会の様子を伝えています。同新聞お得意のワタミのペイドパブリシティかと思う様な提灯記事ですが、創業者の渡辺美樹氏が26年3月期の業績について、「『ブラック企業』との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービ…

「内定辞退防止策」は「アイデア」の前に「採用ポリシー」が大切。

2015年新卒の採用活動が終わったからと言って一息つけないのが人事採用マンの辛いところです。そこから先は「内定辞退」をどう防ぐかというのが大命題となります。 最近は「内定者横取りサイト」なるものまで登場していますし、今年の様に一気に買い手市場か…

セミナー開催。人事評価制度への誤解は根深い。人を育てるための最強ツールなんだけど…。

今週月曜日、大阪梅田で公認会計士の先生とジョイントのセミナー「最速で成長するための経営管理強化セミナー」の3回目を開催しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。 今回私は「儲かる会社の人事制度はこれだ! ~役割等級制度と多面目標管理…

ダイキン工業の産後早期復帰優遇制度は女性登用の優れたソリューション。

ダイキン工業が今春から導入した産後早期復帰優遇制度は、人事上手な企業らしい女性登用のための優れたソリューションだと思います。 原則1年の育休を半年未満で切り上げ職場復帰した社員に対する保育費補助の増額制度。保育園の延長保育、ベビーシッター利…

再びブログタイトル変更

二度目のブログタイトル変更です。 どうも「儲かり続ける~」というのが関西圏以外の方からウケが良くない様で(笑)。中身は何も変わりませんが、要するやりたいこと、伝えたいことをストレートにブログタイトルにしました。 「組織の成長」と「個人の幸福」…

個別労働関係紛争解決ADRは、企業(使用者)側にこそメリットがある。

今日は個別労働関係紛争、いわゆる労働組合と使用者側の間の集団的労働関係紛争以外の労働紛争、のADR(裁判外紛争解決手続)による解決は、一定の条件の下で、実は企業(使用者)側にこそ、活用するメリットがあるというお話をしようと思います。 もちろん…

就活プロボノから考える新卒採用の極意。キーワードは「エンプロイアビリティ」「起業力」。

ここ数年プロボノ活動として、ゲスト講義やビジネスプランコンテスト、起業セミナー等でご縁のあった学生さんの就活相談を、少人数ですがさせて頂いています。先週の金曜日は2015年新卒就活で人材ビジネスの人気企業から無事「内々定」を獲得した学生さんが…

『新しい労働社会-雇用システムの再構築へ』は人事マン・社労士必読の書。

新卒採用、就活問題を論じる上で非常に参考になるバイブルともいうべき書籍として、以前のブログでも独立行政法人労働政策研究・研修機構の主席統括研究員である濱口桂一郎氏の 若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ) 作者: 濱口桂一…

「労働時間管理」が変わる2016年4月以降の勝ち組は?成果主義追求なら「金銭解雇」を推すべきだった!

「管理監督者」以外で労働時間・休憩・休日の規定が適用除外になる労働者を対象にする「新労働時間制度」が産業競争力会議で議論されてきましたが、一昨日の6月11日に概ね方向性が定まった様です。菅官房長官、甘利経済再生担当大臣、田村厚生労働大臣らが会…

儲かり続ける組織・リクルートへの「いわれなき批判」再び。それでも追随を許さぬ労使のカタチ。

株式公開が近いとされるからなのか何なのか、今年に入って儲かり続ける組織・リクルートへの批判が相次いでいます。この道はいつか来た道。されど、よくは知りませんが、リクルートの現経営陣はリクルート事件時代の経営陣よりはるかに「大人」で「クレバー…

「ヘッドハンティング」好き経営者に持続的成長は難しい?

ベンチャーや中堅企業への脱皮を目指す企業など、成長意欲の高い企業の経営者は総じて「中途採用」好きです。それ自体はもちろん悪いことではありません。5年後、10年後の自社のあり様をイメージすることもなく、採用にもカネをかけないで、現状維持のつもり…

「女性登用義務化」の本末転倒と求められるパラダイムシフト

安倍政権では新成長戦略の一環として、国や地方自治体、企業に対し、女性登用の目標や行動計画の策定、公表の義務化を求める法案を、来年の通常国会に提出する見込みであるというニュースが流れました。 OECDからの指摘については以前にも書きましたが、労働…

「賃金報酬制度」の改定。その時経営者が気を付けるべきこととは?

経営革新に「人事制度」の改定はつきものです。そして私自身もかつて自らが管理部門の責任者を務めながら、その効用を実感したことがあります。 株式公開とか、外部環境変化に適応するための事業再構築とか、経営目標(最終目標でなくマイルストーンであって…

儲かり続ける組織の「賢い社労士活用法」

最近、社労士の合理的な活用法について質問を受けることが多いので、一度整理しておこうと思います。 他の社会保険労務士の先生がどう考えておられるかは知りませんが、私は組織サイズを3つに分けて社労士活用法をご提案しています。ざっくりした目安ですが…