成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

2017年、伸びる企業は「企業内社労士」と「人事部長アウトソーシング」に注目する。

2016年は、人事労務に関して大きな転換点となる年であったと思います。 2015年に東京労働局と大阪労働局に新設された「過重労働撲滅特別対策班」の活動が本格化するとともに、日本を代表する企業の一つである電通で新入社員の過労自殺が労災認定。それに端を…

「無期転換ルール」への備えは大丈夫?大混乱必至の「雇用2018年問題」。

ご存知の方も少なくないと思いますが、平成25年の労働契約法改正で、平成25年4月1日以降通算で5年を超えて反復更新された有期労働契約は、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換します。早ければ平成30年4月1日以降に更新される有期雇用契約から無期転換…

「人材流出防止」のマネジメント待ったなし。キーワードは「社内起業」と「暖簾分け」。

新卒採用市場が「売り手市場」に転じただけでなく、初めて全都道府県で有効求人倍率が1を超えるなど、大して景気が良いわけでも、経済の先行きが明るいわけでもないにのに、現下の労働市場の需給は逼迫しています。 これは一時的な現象ではなくて、今後短期…

成長したければ「フレックスタイム制」を再考せよ!

株式公開準備企業や採用強化中の企業などに、フレックスタイム制をご提案して実際に導入が決まり、その導入・運用のお手伝いをするという機会が、今年になって増えています。 とっくに終身雇用では無くなっているのに、滅私奉公を従業員に要求し続ける日本企…

新・「採用」と「研修」の経済学

二流、三流の「人事コンサルタント」と称する人達のブログなどを読んでいると、 「採用と研修のどちらを大事にすべきかという様な質問をクライアントからされるのですが、この二つに優劣はありません。どちらも大切で車の両輪です」 という様な極めて温い考…

36協定違反企業の行政指導時の企業名公表のインパクト。労使関係のデザインはいつもここから。

ネットニュースでは、ほぼ毎週何らかの大きな労働問題が報じられます。 昔の様にマスメディア中心の時代であれば、他のニュースの陰に隠れてそれほど注目されなかったかもしれない労働問題関連のトピックが、今や瞬時に、しかも自身の職業生活に密接に関係の…

「過重労働」と「マタハラ」。2016年の労務管理の重大テーマにどう取り組むか。

まだ、一月丸々残っているわけですから、少し気の早い気もしますが、今夏から直近までの労働問題のメディアでの取り上げられ方を見ると、来年2016年の労務管理の重大テーマは「過重労働」と「マタハラ」かなという気がしています。安倍政権の出方次第ではこ…

採用と育成。大切なのはどちらか?

この投稿のタイトルは、実は様々な企業でよく問われます。 もちろん一般論としては、両方大切なのは言うまでもありませんが、両方に充分に割けるリソースがないという場合がある。そういう場合はどうすべきでしょうか。 この問題を検討するには、まず前提と…

「安全衛生優良企業(ホワイト企業)」公表制度は機能するか?

「ホワイト企業」認定ともいうべき「安全衛生優良企業」公表制度がスタートして3ヶ月が経過。今後増えるのだろうとは思いますが、現状(平成27年9月3日現在)は全国で2社しか認定企業がありません。 規程のチェック項目を8割クリアして申請書類を提出…

ベンチャー&中堅・中小企業の労務リスクは益々増大。IPOのコンプライアンスチェックでも主要テーマに。

企業の労務リスクの増大はとどまるところを知りません。 立法府ではホワイトカラーエグゼンプション、裁量労働制の拡大の方向で労働法規制の緩和が進む一方で、東京、大阪の労働局に置かれた「かとく」過重労働撲滅対策班がABCマートの36協定違反を摘発・…

オーナー経営者のための組織人事管理② 「ダウンサイジングとアウトソーシングという選択」

前々回の記事では、ファミリービジネスの組織人事面での功罪を書きました。 人材という経営資源は、ジャスト・イン・タイムで売り買いできるものではありません。また、国によって違いはあるものの、一定の労働法規制の下に労働市場が置かれているわけですか…

企業の労働紛争早期解決は、「あっせん等の使用者側申立」が決め手。

昨年来の居酒屋チェーンW、エステチェーンT等の例を見るまでもなく、労働紛争の拙い処理が企業の浮沈さえ左右する様になったのは、近年の企業経営を取り巻く大きな環境変化の一つといえます。少なくとも5年、10年前には、少々の労働トラブルで企業がそこまで…

オーナー経営者のための組織人事管理① 「ファミリービジネスか?ゴーイング・パブリックか?」

私は株式公開準備を視野に入れた企業で、何度か管理部門の責任者として仕事をしました。ですから、オーナー経営者が「IPO(株式公開)したい」と突然言い出したら、それが十中八九は証券会社の法人営業の人間等に耳触りのよい話を聞かされて、舞い上がってい…

できる「企業内社労士」は「労使関係」を改善し、「組織力」を高める。って言い過ぎか?

現段階で、表題の前段は私の仮説に過ぎません(笑)。しかし全くの見当違いだとも思ってはいません。 先週、懇意の公認会計士お二人と久しぶりに会食したのですが、そのうちのお一人が、「監査法人でさえ、エース級の人材を人事に配置しないとダメだ」とおっ…

労基署のサービス残業是正が急ピッチ。油断が思わぬ経営リスクをまねく!

厚生労働省のまとめによると、平成25年度の賃金不払残業(サービス残業)に関わる是正結果が発表になっています。 それによると、是正対象企業数は1417企業で対前年度比140企業増、対象労働者数は11万4880人で対前年度比1万2501人増、支払われた割増賃金の合…

労働紛争における「あっせん等」は使用者側(企業側)の「フェイルセーフ」。

「紛争解決手続代理業務試験」の合格を社会保険労務士名簿に付記された「特定社会保険労務士」は既に1万人を超えています。しかし、企業側、使用者側でのみ仕事をする社労士であれば、その殆どが、個別労働関係紛争の裁判外紛争解決手続、所謂「あっせん等」…

公式ブログ再開!「日テレ女子アナ内定取消事件」に見る労働紛争の「不可逆性」

ブログ再開、久々の記事投稿です。 10月初旬から「紛争解決手続代理業務試験」の受験資格を得るための「特別研修」を受け、先週11月22日に無事受験を終えました。当初の予定では、この間も若干ペースダウンしながらブログを書き続けるつもりだったのですが、…

「グローバル人事」の要諦は巧みな「ダブル・スタンダード」にあり。ある仕事から気付いた事。

「日本の企業人事のフロントランナー」と言われる日立製作所で、管理職の年功賃金を廃止するという人事施策が打ち出されました。 これに関しては、「国際化」対策という様な論調が多かったわけですが、実際はそれだけでなく、背景にあるのは「人事流動化」の…

その後の「たかの友梨ビューティクリニック事件」。危機管理の基本が問われているのに。

残業代未払からパワハラ騒動へと発展していた「たかの友梨ビューティクリニック」の労働トラブルですが、新たな展開が出てきました。 「弊社従業員への謝罪及び弊社の労務環境改善に向けた取り組みについて」というプレスリリースが出て、一件落着かと思いき…

「内定式」から「入社」まででやるべき労使コミュニケーション。「スキル・パス」の見える化について。

昨日は全国的に「内定式」という法人組織が多かったと思います。使用者側が「内定通知」を出し、それまで「内々定者」であった新卒予定者が「承諾書」等を提出すると、原則として「(就労)始期付解約権留保付労働契約」の成立です。 「始期付」は学校を卒業…

「ICレコーダー」が人事マンのマストアイテムである理由。

会社や法人組織がそこそこの規模になったら、総務(人事)から「ICレコーダーの購入について」という稟議書が回ってくることがあります。この時、経理部長や経営者の方には、ろくに読みもしないで否決するの止めて頂くようにお願いしたいと思います。 多くの…

シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」 ①「メンバーシップ型(組織構成型)雇用」とは何か

週一位のペースで、シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」と題して書いていきたいと思います。今日はその第一回で、人事労務管理の前提となる「雇用のあり様」についてです。人事のプロですとか、人事コンサルですと自称する人は、この議論をすっ飛ばし…

「短時間正社員」を生産性向上に活かす。それは組織に「大人」を増やす試金石だ。

昨日労働問題解決ブログの方で「限定正社員」について書いたのですが、今日のネットニュースでは、労働時間を限定した「限定正社員」である短時間正社員が職場で孤立するケースがあるという様な記事が流れていました。 確かにご尤もな記事ではあります。「…

マタニティハラスメント訴訟から考える労務リスクマネジメント

私も会員になっている「NPO法人労働者を守る会」からも傍聴に行っていた様ですが、昨日最高裁で「マタニティハラスメント」に関する異例の上告審弁論が行われました。 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が、病院を運営する広島中央保健生活協同組…

「採用力」アップを妨げる「三つの壁」とは何か。魅力ある企業なのに「採用下手」な理由。

直接的か間接的かは様々ですが、最近「採用」についてお話させて頂く機会がグッと増えました。大企業に加えて、ベンチャーや第二創業企業等の「採用現場」を経験している社労士というのが実はあまりいないというのもあるのかもしれませんが、業種によっては…

「医師」「法曹」「教員」「看護師」の人員需給ギャップ。文科省の「集団浅慮」から学ぶ。

現在の「医師」「看護師」不足と将来的な「看護師」過剰、「法曹」人口の過剰、一時的な「教員」不足と2021年以降の「教員」過剰…。医療・司法・教育など、これら国家の基礎に関わる分野で、人材養成の制度的不備を作り出しているのは、現状では文部科学行政…

データで語る人事。「働く環境が社員に高く評価される企業は利益成長率が高い」という事実。

我々社労士が「働く環境の改善が業績向上に繋がる」と言っても、「また“念仏”を唱えている」くらいにしか感じない経営者は少なくありません。しかし表題にも掲げたように、我々も感覚だけでモノを言っているわけではなく、現実にデータがそれを裏付けていま…

「囲い込み型」より「啓発型」インターンシップが有効!2016年新卒採用対策のツボ!!

何度か書いていますが、2015年新卒採用がヤマ場を越えて、2016年新卒採用へ企業人事の関心・アクションもシフトしています。 2016年新卒の倫理憲章による採用スケジュールの後ろ倒しは、折からの「新卒売手市場化」の中で当初の狙いが外れ、既に「逆機能」…

「軍師官兵衛」の黒田家を支えた「異見会」。生き延びる技術としての「社員総会」「ブレーンストーミング」。

今年の大河ドラマ『軍師官兵衛』の黒田官兵衛の時代か、あるいはその嫡男で福岡藩初代藩主の黒田長政の世か定かではありませんが、外様大名として幕末まで生き残った黒田家では、「異見会」別名「腹立たずの会」というのが開かれるようになったと言われてい…

「60歳代の社長」の半数以上が後継者不在。新たな労使関係の課題。

新厚生労働相が年金積立基金管理運用独立行政法人(GPIF)によるベンチャー企業投資について前向き検討の意向を示したり、「起業」を増やすという政策には、ようやく重い腰が上がり始めたきた様に思います。 今政府がやっている成長戦略などが、どの程度マクロ…