成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

就活プロボノから考える新卒採用の極意。キーワードは「エンプロイアビリティ」「起業力」。

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ここ数年プロボノ活動として、ゲスト講義やビジネスプランコンテスト、起業セミナー等でご縁のあった学生さんの就活相談を、少人数ですがさせて頂いています。先週の金曜日は2015年新卒就活で人材ビジネスの人気企業から無事「内々定」を獲得した学生さんが報告に、昨日は2016年新卒就活に向けてインターンシップに応募中の学生さんがご相談に来られました。

 

2015年新卒から求人数は既に2割増となっているのですが、大きな経済危機とか、急激な経済の減速がない限り、2016年新卒以降はしばらく「学生の売り手市場化」が確実です。ベンチャーや成長志向の中堅・中小で、新卒者採用を強化したい企業にとって大変厳しい時代が到来しそうですから、今日はそうした企業向けに採用のキーポイントを。

 

就活生の全般的な志向はその時々の経済環境によってある程度変化します。不況期にはやや保守的になるし、好況期には自己実現志向が高くなりますが、それ自体は構造的な問題ではありません。新卒採用のここ15年位の、いわば21世紀的構造的変化は、やはり「終身(長期)雇用」と「年功賃金(序列)」が、オルタナティブの出現とまではいかないまでも、やや崩れてきていることに起因しています。

 

その新卒採用の21世紀的構造変化によって、採用側も昔であれば新卒採用を始めなかった様な社歴の浅い会社が新卒採用を始めますし、就活生の側も不確実性が高くなった「終身雇用」「年功賃金」より、転職によるキャリアアップや将来の起業に役立つ企業への入社を目指すような層が、マジョリティでないまでも一定数出てきているわけです。

 

繰り返しになりますが、これは「構造的変化」ですから、一過性のものでは最早ありません。従ってこの「構造的変化」を的確に捉え、事業展開や経営ビジョン、人事制度や人材マネジメントの方法、賃金報酬のあり様や現に活躍している人材で、自社がキャリアアップ志向や将来の起業に役立つ会社であり、「エンプロイアビリティ」や「起業力」を獲得するチャンスを提供できる企業であることを、明確に訴求できれば、ベンチャーや成長志向の中堅・中小企業でも、新卒採用市場でもある程度の戦いはできる時代になってはいるのです。

 

但し、それらの訴求が中途半端であれば鼻もひっかけられません。「エンプロイアビリティ」や「起業力」の獲得がリアリティを持って感じ取れるレベルの企業から学生へのプレゼン準備が整っていなければ、前段述べたように、来年の2016年新卒採用ではベンチャーや成長志向の中堅・中小ではかなり悲惨なことになるでしょう。実際の数字でそれを押さえておくと、リクルートワークス研究所の今年4月の発表では、2015年新卒の求人倍率は1.68倍で前年の1.28倍から急上昇していますが、2016年新卒では7年ぶりに2倍台になると言われています。リーマンショック前の2008年、2009年新卒は2.14倍の求人倍率で大手でさえ採用に苦労した2年間であったことを思い出していただくと良いと思います。

 

少なくともそれに照準を合わせた経営ビジョン、人事制度づくりには、明日と言わず今日からでも着手しないと間に合わなくなります。この危機意識を持つ経営者だけが、5年後、10年後に現状に甘んじない成長企業のトップマネジメントであるであろうということだけは、経済環境の変化が今後どうなろうとも明確に言えるだろうと思います。

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