成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

経営組織

「グローバル人事」の要諦は巧みな「ダブル・スタンダード」にあり。ある仕事から気付いた事。

「日本の企業人事のフロントランナー」と言われる日立製作所で、管理職の年功賃金を廃止するという人事施策が打ち出されました。 これに関しては、「国際化」対策という様な論調が多かったわけですが、実際はそれだけでなく、背景にあるのは「人事流動化」の…

シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」 ①「メンバーシップ型(組織構成型)雇用」とは何か

週一位のペースで、シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」と題して書いていきたいと思います。今日はその第一回で、人事労務管理の前提となる「雇用のあり様」についてです。人事のプロですとか、人事コンサルですと自称する人は、この議論をすっ飛ばし…

「医師」「法曹」「教員」「看護師」の人員需給ギャップ。文科省の「集団浅慮」から学ぶ。

現在の「医師」「看護師」不足と将来的な「看護師」過剰、「法曹」人口の過剰、一時的な「教員」不足と2021年以降の「教員」過剰…。医療・司法・教育など、これら国家の基礎に関わる分野で、人材養成の制度的不備を作り出しているのは、現状では文部科学行政…

データで語る人事。「働く環境が社員に高く評価される企業は利益成長率が高い」という事実。

我々社労士が「働く環境の改善が業績向上に繋がる」と言っても、「また“念仏”を唱えている」くらいにしか感じない経営者は少なくありません。しかし表題にも掲げたように、我々も感覚だけでモノを言っているわけではなく、現実にデータがそれを裏付けていま…

「60歳代の社長」の半数以上が後継者不在。新たな労使関係の課題。

新厚生労働相が年金積立基金管理運用独立行政法人(GPIF)によるベンチャー企業投資について前向き検討の意向を示したり、「起業」を増やすという政策には、ようやく重い腰が上がり始めたきた様に思います。 今政府がやっている成長戦略などが、どの程度マクロ…

「欠員補充の採用こそコストだ」。だから伸びるIKEAの人材投資とESI人事。

多くの流通小売でもパート従業員の正社員化は進められていますが、イケア(IKEA)・ジャパンでも9月から2400人のパートを正社員化するとともに新人事制度を開始したそうです。それは、純日本型でもなければ、米系企業にありがちな「アメリカン・スタンダ…

手段としてのIPO(株式公開)と社労士の役割。ガバナンスの確立が成長と幸福を招く。

先日高校の同窓会で会った同級生の公認会計士から最近のIPO(株式公開)準備の動向を聞く機会がありました。またぞろ証券会社主導で出鱈目なIPOブームが起きそうな匂いがプンプンします。 IPOは当然市場からの資金調達が主たる目的ですから、その…

政府が“スーパー・フレックスタイム制”を検討中。しかしそれは「大人の組織」にしか使いこなせない。

政府が、「1ヵ月超」の「清算期間」で運用できるフレックスタイム制のための法改正を検討しているというニュースが流れてきました。これを仮に“スーパー・フレックスタイム制”と名付けることにしましょう。 現行の「フレックスタイム制」は「1ヵ月」を上限と…

「学習する組織」を創るために。リーダーが心に留めるべき二つのこと。恩師から贈られた言葉より。

昨日、高校卒業30年の同窓会がありました。出席者数は4割の約80人でしたが、医療、学術研究、ビジネスを中心に各界で活躍している学友、そして恩師の皆様が母校・大阪星光学院に会しました。 30年前と変わらぬ恩師お二人のご挨拶は、非常に重みがあって、ぶ…

医療現場の人事労務管理について。「医療労務コンサルタント研修」に欠けているものとは何か?

私の仕事は、言うまでもなく、日常的には企業の人事労務管理に関するものが中心です。ただ、私自身は全くの門外漢ながら、中学・高校の同級生の約2割が医師ということもあり、医療現場の話を聞く機会も多いので、遅まきながら「医療現場」の労務管理について…

米国型人材マネジメントは「人のチカラ」に期待しない。自社の人材マネジメントはどうあるべきか?

従来、日本の経営者には「組織」「人事」に通じた人が多かった言われています。実際今日程経営環境の変化が激しくない時代には、メーカーや商社では、次世代の「経営者」と目される人材に、子会社の社長や人事部門を経験させた後ボードメンバーとし、そこか…

「すき家」労働環境改善に関する第三者委員会。「ビジネスモデル」「組織人事」のプロ不在では意味がない。

「ブラック企業大賞」のノミネートを避ける様に7月31日、「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が発表されました。 提言に書かれていることは至極ご尤もなものですし、どれもこれも実行した方が良いものであるのは間違ありません。…

「採用担当」の過労死を心配してしまう「新卒採用」の過熱ぶり。「人事」まかせからの脱却がキーワード。

2015年新卒がほぼ峠を越えたかと思えば、2016年新卒のインターンシップが酣です。 2015年新卒が峠を越えたと言っても、採用目標人数に達しない企業はまだ継続して採用活動をしていますし、今年の様に一転「売り手市場」になると、何より「内々定者」のフォロ…

「ダンバー数」を意識した人材マネジメント。ホールディング×分社化、アメーバ経営の効用には理由がある。

イギリスの人類学者、進化生物学者であるロビン・ダンバーが定式化した「ダンバー数」は、人間にとって平均150人(100~230人)が「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」であるとするものです。 私もこれについては、経験的には非常に妥…