成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観て思ったこと。

昨晩、NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観ました。元々30分番組にコンテンツ詰め込み過ぎの傾向のある番組ですが、昨日は特に酷かった様に思います。個々の取材素材が悪いわけではないのですが、最後までなにが言いたい…

「ブラック企業」風評と株主総会。「業態転換」の前に「労使関係改善」ではないのか?

産経新聞がワタミの株主総会の様子を伝えています。同新聞お得意のワタミのペイドパブリシティかと思う様な提灯記事ですが、創業者の渡辺美樹氏が26年3月期の業績について、「『ブラック企業』との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービ…

「内定辞退防止策」は「アイデア」の前に「採用ポリシー」が大切。

2015年新卒の採用活動が終わったからと言って一息つけないのが人事採用マンの辛いところです。そこから先は「内定辞退」をどう防ぐかというのが大命題となります。 最近は「内定者横取りサイト」なるものまで登場していますし、今年の様に一気に買い手市場か…

セミナー開催。人事評価制度への誤解は根深い。人を育てるための最強ツールなんだけど…。

今週月曜日、大阪梅田で公認会計士の先生とジョイントのセミナー「最速で成長するための経営管理強化セミナー」の3回目を開催しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。 今回私は「儲かる会社の人事制度はこれだ! ~役割等級制度と多面目標管理…

ダイキン工業の産後早期復帰優遇制度は女性登用の優れたソリューション。

ダイキン工業が今春から導入した産後早期復帰優遇制度は、人事上手な企業らしい女性登用のための優れたソリューションだと思います。 原則1年の育休を半年未満で切り上げ職場復帰した社員に対する保育費補助の増額制度。保育園の延長保育、ベビーシッター利…

再びブログタイトル変更

二度目のブログタイトル変更です。 どうも「儲かり続ける~」というのが関西圏以外の方からウケが良くない様で(笑)。中身は何も変わりませんが、要するやりたいこと、伝えたいことをストレートにブログタイトルにしました。 「組織の成長」と「個人の幸福」…

個別労働関係紛争解決ADRは、企業(使用者)側にこそメリットがある。

今日は個別労働関係紛争、いわゆる労働組合と使用者側の間の集団的労働関係紛争以外の労働紛争、のADR(裁判外紛争解決手続)による解決は、一定の条件の下で、実は企業(使用者)側にこそ、活用するメリットがあるというお話をしようと思います。 もちろん…

就活プロボノから考える新卒採用の極意。キーワードは「エンプロイアビリティ」「起業力」。

ここ数年プロボノ活動として、ゲスト講義やビジネスプランコンテスト、起業セミナー等でご縁のあった学生さんの就活相談を、少人数ですがさせて頂いています。先週の金曜日は2015年新卒就活で人材ビジネスの人気企業から無事「内々定」を獲得した学生さんが…

『新しい労働社会-雇用システムの再構築へ』は人事マン・社労士必読の書。

新卒採用、就活問題を論じる上で非常に参考になるバイブルともいうべき書籍として、以前のブログでも独立行政法人労働政策研究・研修機構の主席統括研究員である濱口桂一郎氏の 若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ) 作者: 濱口桂一…

「労働時間管理」が変わる2016年4月以降の勝ち組は?成果主義追求なら「金銭解雇」を推すべきだった!

「管理監督者」以外で労働時間・休憩・休日の規定が適用除外になる労働者を対象にする「新労働時間制度」が産業競争力会議で議論されてきましたが、一昨日の6月11日に概ね方向性が定まった様です。菅官房長官、甘利経済再生担当大臣、田村厚生労働大臣らが会…

儲かり続ける組織・リクルートへの「いわれなき批判」再び。それでも追随を許さぬ労使のカタチ。

株式公開が近いとされるからなのか何なのか、今年に入って儲かり続ける組織・リクルートへの批判が相次いでいます。この道はいつか来た道。されど、よくは知りませんが、リクルートの現経営陣はリクルート事件時代の経営陣よりはるかに「大人」で「クレバー…

「ヘッドハンティング」好き経営者に持続的成長は難しい?

ベンチャーや中堅企業への脱皮を目指す企業など、成長意欲の高い企業の経営者は総じて「中途採用」好きです。それ自体はもちろん悪いことではありません。5年後、10年後の自社のあり様をイメージすることもなく、採用にもカネをかけないで、現状維持のつもり…

「女性登用義務化」の本末転倒と求められるパラダイムシフト

安倍政権では新成長戦略の一環として、国や地方自治体、企業に対し、女性登用の目標や行動計画の策定、公表の義務化を求める法案を、来年の通常国会に提出する見込みであるというニュースが流れました。 OECDからの指摘については以前にも書きましたが、労働…

「賃金報酬制度」の改定。その時経営者が気を付けるべきこととは?

経営革新に「人事制度」の改定はつきものです。そして私自身もかつて自らが管理部門の責任者を務めながら、その効用を実感したことがあります。 株式公開とか、外部環境変化に適応するための事業再構築とか、経営目標(最終目標でなくマイルストーンであって…

儲かり続ける組織の「賢い社労士活用法」

最近、社労士の合理的な活用法について質問を受けることが多いので、一度整理しておこうと思います。 他の社会保険労務士の先生がどう考えておられるかは知りませんが、私は組織サイズを3つに分けて社労士活用法をご提案しています。ざっくりした目安ですが…

「賃金カーブ」は労使関係を映す鏡。成長企業のそれはどうあるべきか?

先日、財閥系シンクタンクで戦略コンサルティング部門の長も務められたことのある経営コンサルタントの先生(以下「A先生」とします)と久しぶりにランチをご一緒した際、「賃金カーブ」の話になりました。 私とA先生ともに、今年の新卒採用の急激な回復⇒…

社労士が出廷陳述権を得て何が変わるか?

第8次社会保険労務士法改正法案が自民党厚生労働部会で協議・決定され、議員立法で今通常国会成立の見込みとなっています。民間ADRにおける特定社労士の代理人単独受任紛争目的額の引き上げ、社会保険労務士法人の1人法人設立など、いくつか改正点があります…

「裁量労働制拡大」が「労使関係」を破壊する。

昨日も書いた「労働時間規制緩和」で情報が錯綜している様です。産業競争力会議の議論について、朝日、毎日がバラバラの報道をしていますので。ここまでの解説と見通しを書きたいと思います。 朝日新聞は「『残業代ゼロ』案修正へ 幹部候補に限定、年収は問…

迷走する「労働時間規制緩和」。現場を知らない産業競争力会議が暴走?

労働時間の規制緩和が迷走しています。まだ方向性が定まったわけではないので少し議論が早すぎる気もしますが、今朝の毎日新聞の記事をご覧いただきたいと思います。 安倍首相の本音は、兎に角何でもいいから「財界へのお土産」を作りたいというところなので…

「労働時間管理」は良質な労働力確保の決め手になるか?

大都市圏では労働集約型企業を中心に労働需給の逼迫がみられるようになってきました。勿論今後も景気変動によって短期の需給は変動するでしょうけど、いずれにしても労働人口は長期的に減っていくわけで、優秀な人材をどう惹きつけるか、もっとブレイクダウ…

「儲かり続ける組織」はボトムアップで事業を興し、撤退をトップが決める。

成長志向の強い企業のトップマネジメントは、組織が活性化していて瑞々しく、新しいビジネスがどんどん芽吹くという状況を望むわけですが、自らの存在がそれを邪魔していることがあるということにあまり気付きません。今日はそのお話です。 昨年他界されたリ…

「退職コスト」思考が企業を救う!

新卒採用だけでなく、若年層を中心に雇用の回復が急ピッチになってきました。日本の企業には、財務会計的な「採用費」という概念はあっても、管理会計的な「退職コスト」という概念があまり根付いていません。しかし、労働需給が逼迫してくると、この「退職…

人事評価制度は「賃金報酬」の分配ルールではない!

中小・ベンチャーの経営者に、「人事評価制度」を構築する第一義の目的は「賃金報酬を決めるため」にあるのではないと言ったら、普通は驚かれるのではないかと思います。今日はこの件について書きたいと思います。 大企業の場合、経営者は将来の幹部として必…

中小・ベンチャーもついに残業代50%割増!「儲かり続ける」ための「働き方革命」とは?

先日の日経新聞に出ていましたが、中小企業への適用が見送られてきた「月間60時間を超える時間外労働」についての割増賃金率引き上げが、2016年4月から適用になる方向で政府が本格検討に入った様です。実施されれば、「月間60時間を超える時間外労働」につい…

就活不人気業界四天王「外食」「介護」「運輸」「SIer」でも新卒採用で大成功!今何をすべきか?

いわゆる「ブラック企業問題」に端を発し、昨秋厚生労働省が実施した4000社調査で調査対象の中心になった「業種」があったのをご存知ですか? それが「外食」「介護」「運輸」「SIer(システムインテグレータ)」だと言われています。いずれも「労働集約型」…

「新御三家」が追加募集。「買い手市場」の終わった新卒採用に参入するには?

近年の新卒採用で「新御三家」と呼ばれるDeNA、グリー、サイバーエージェントの「メガベンチャー」3社。その内、サイバーエージェントで新卒採用の追加募集の発表が5月2日にありました。ちょっとビックリしたので今日はこの事について。 サイバーエージェン…

Wの悲劇。ベンチャーの雄はどこで間違え、どこに行くのか?

かつてのベンチャーの雄、ワタミが「ヒト」で苦しんでいます。今回はそのケーススタディを。 2014年3月の連結決算は税引後損失49億円。営業損益での対前年▲29億円に、閉店する店舗の特別損失▲26億円が加わって1996年の上場以来初の赤字。この4月にワタミに入…

「労働119番」を始める理由。「引き裂かれてある士業」社労士にしかできないこと。

5月1日から労働者側社労士業務の「労働119番」を始めました。今日はその理由を少し書きたいと思います。 開業社会保険労務士の仕事は、95%以上企業向けのサービス提供で成立しています。障害年金の裁定請求とか、個人向けサービスを中心に活動している社労…

「労使関係のデザイン」が決める組織の行く末

ブログ再開後、「採用」それも特に「新卒採用」を中心に書いていますが、今回はちょっと総論的なお話を。 今私が社会保険労務士という仕事をしている理由は、もちろん様々な背景・出来事の積み重ねによるわけですが、やはり一番大きな理由は、1980年代の終わ…

実録・無名企業の「伝説の新卒採用」

無名な中小企業・ベンチャー企業でも本当に新卒採用は成功するのか?不安に思われる方もおられると思いますから、今日は過去に私が担当者兼責任者としてフル参戦したベンチャー企業(というよりベンチャー化した企業)の新卒採用のノンフィクションをお届け…