成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「労働時間管理」は良質な労働力確保の決め手になるか?

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大都市圏では労働集約型企業を中心に労働需給の逼迫がみられるようになってきました。勿論今後も景気変動によって短期の需給は変動するでしょうけど、いずれにしても労働人口は長期的に減っていくわけで、優秀な人材をどう惹きつけるか、もっとブレイクダウンすると良質な人的資源をどう確保するかが、多くの業種でプライオリティの高い経営課題となるのは必至です。

 

OECD経済協力開発機構)の昨年2013年の調査によると、日本の25~64歳の4年制大学卒以上の女性就業率は、68%で調査対象の24ヶ国中23位。最下位は韓国ですが、日本はブービー賞となっています。日本の場合、第一子出産後に約60%が退職するのが大きな要因で、OECDは日本政府に、

①質の高い保育サービスの提供、

②第2の稼ぎ手の就業意欲を減じる税及び給付制度の改革、

③ワーク・ライフ・バランスの改善、

④育児・介護休業法のより適切な施行など通じた長時間労働の削減や勤務時間の柔軟性向上、

の4つの対策を求めています。

 

ご存じない方も多いかも知れませんが、この「潜在労働力」の顕在化問題は、実は日本にまだまだ世界経済の牽引役を果たしてもらわねばならないという、グローバル経済システムからの要請でもあり、既に「外圧」として突き付けられているものなのです。

 

既述の①②は基本的には行政の問題、③④は労働法制の問題でもありますが、主として現行法制下でもいくらでも改善の余地のある民間の問題です。もちろん意識の高い一部の大手企業では③④も随分と進んできていますが、一般的にはまだまだこれからでしょう。現行の税制や社会保険制度の矛盾とも絡むので、一概に言えない部分もありますが、厚生労働省「導入支援ナビ」まで作っている「短時間正社員制度」の導入や、「時差出勤制度」「フレックスタイム制度」「裁量労働制」を、成長意欲の高いベンチャーや中堅企業など広範な企業が上手く使って、優秀な女性の労働力を活用するのは、現下の雇用情勢から言っても、もう待ったなしのところまで来ています。

 

そこへ踏み込んで行ける企業とそうでない企業を分けるものは何でしょうか。それには大きく分けて2つあると思います。

 

一つは多様なワークスタイルの存在を許容するためのコミュニケーションツールの活用。安価になったグループウェア、SFA、CRM、ネット会議システムなどのインテグレーションで、空間共有とフェース・トゥ・フェースの機会減少を補完する取組みをどう積極化するかでしょう。

 

そしてもう一つ「人員志向」から、タスクを複数担当者の労働時間で組み立てる「人的資源志向」へのパラダイムシフト。良質な労働力の確保のために、より精緻な協働体制を構築するための、きめ細かなマネジメントに挑戦できるか否かだと思います。

 

これらとセットであれば、「労働時間管理」を工夫するだけでも良質な労働力確保、人材力アップはかなりカバーできる。私はそう思います。

 

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