成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「新御三家」が追加募集。「買い手市場」の終わった新卒採用に参入するには?

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近年の新卒採用で「新御三家」と呼ばれるDeNA、グリー、サイバーエージェントの「メガベンチャー」3社。その内、サイバーエージェントで新卒採用の追加募集の発表が5月2日にありました。ちょっとビックリしたので今日はこの事について。

 

サイバーエージェントはネット広告で立ち上がり、アメーバ他着実に成長発展してきた「メガベンチャー」です。女子社員の働きやすさやユニークな人事制度、社風も含めて就活人気企業の一つに挙げられ、「新御三家」の一つにも数えられる企業。しかも経団連に入っておらず、新卒採用の「倫理憲章」にも関わりがないので、今年に入って直ぐに実質的な「内定」を出し始めたと聞いています。

 

例年ならもう今頃は採用活動を終えているはずですが、そのサイバーが追加募集をするということは、細かな背景はわかりませんが、考えられるのは人員計画が大幅増になったか、それとも「内定者」が予想以上に他企業に流れたかのどちらかです。「倫理憲章」に関わりのある他の大手が「内々定」を出し始めたのが4月前半からですから、追加募集発表の時期を考えても、その反応を見ておそらく後者に重きを置いて追加募集を決めたのではないかと想像します。

 

リクルートワークス研究所のデータでは、2015年大学卒新卒採用では求人数が対前年比25.6%増で求人倍率は1.61倍。従業員5000人以上の企業では求人数5.0%増に留まるものの、従業員300人未満では44.5%増になっています。産業構造の問題も大きいですから重厚長大産業はともかく、全体として新卒の「買い手市場」はもう終わっていると考えた方が良いでしょう。

 

一部メディアでは「新卒市場、一転売り手に」という様な記事も見られますが、そこまでは少し言い過ぎな気がしますが、このままの経済動向なら、2016年新卒からはそうなるのではないかと想像します。また、2016年新卒は採用スケジュール自体が、2015年新卒よりも「後ろ倒し」になり、夏が採用のヤマ場になるので短期決戦が予想されます。

 

ですから「新卒採用を始めたい」「中途採用から新卒採用に採用をシフトしたい」と考えている企業は、大変厳しい2016年新卒採用からいきなり参戦しても、知名度に乏しいだけでなく、社内に採用ノウハウも蓄積されておらず、満足な採用ができない可能性が高くなります。

 

既述のデータからも2015年新卒はまだ巨大企業の求人がさほど増えていませんから、「とても優秀な学生」はともかく、「アベレージの学生」ならば中堅や成長力のあるベンチャー、堅実な中小企業が取り合いをしている状況でしょう。ですからこの時期からの新規参入企業でも、まずまずの採用ができる可能性が残されています。

 

新卒採用の定石としては、2名以上2015年で新卒者を採用しても問題ない状況なら、「短期決戦」「買い手市場」の厳しい2016年新卒の前に、今すぐ本格参戦しておくべきです。まだどうなるかわかりませんが、実際に弊所にもそういうご相談(2015年新卒採用業務のアウトソーシングetc.)がGW前から来はじめています。

 

とにかく新卒採用は、「採用実績」「ノウハウ・ドゥハウ」「地道な努力」がモノを言う世界。潮目の変わった今年こそが、企業の行く末を思い定めてアクションを起こすことのできる最良(ひょっとすると最後)の年となるかもしれません。

 

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