成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「ブラック企業」風評と株主総会。「業態転換」の前に「労使関係改善」ではないのか?

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産経新聞ワタミの株主総会の様子を伝えています。同新聞お得意のワタミのペイドパブリシティかと思う様な提灯記事ですが、創業者の渡辺美樹氏が26年3月期の業績について、「『ブラック企業』との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービスの売上にも影響した」と陳謝。その一方で、今後の業績回復策については、「脱大規模チェーン」で「専門店業態」へ転換を進めると桑原豊社長が説明し、最終損益を69億円改善して、20億円の黒字を目指すとのことです。

 

もちろん、株主総会の場であるわけですから「戦略」を語ることは必要でしょう。しかしチェーンから専門店業態に活路を求めても、その「戦略」を実りあるものにできるか否かは、サービス業の場合オペレーション次第です。そしてそのオペレーションを支えているのは言うまでもなく人材であり、その背景にある「組織風土」であり、核心としては「労使関係」でしょう。それが無くては絵に描いた餅に過ぎません。

 

こんな説明でよく90分で総会が終わったものだと、正直その事の方がビックリですが、6年前の新入社員自殺の件の反省、「365日24時間死ぬまで働け」という表現のあった理念集改訂以外に、特段の具体的な「組織風土改革案」「労使関係改善策」も打ち出さないで、そんなV字回復が可能だとはとても思えません。私が株主ならそこを徹底的に質問しますが…。

 

いずれにせよ、上場企業はもちろん、サービス業で成長を志向する企業は、「労使関係」の破綻が、企業イメージの悪化を通じて「顧客関係」「リクルーティング」「調達・購買活動」など、あらゆる機能にダメージを与え、命取りになりかねないという認識を持っておかれた方が良いだろうと思います。今のままであれば、私はワタミV字回復についてとても懐疑的ですけど、仮に生き延びたとしても、それはワタミ程の体力・蓄積によってようやくなし得ることであって、通常の企業ではここまでのダメージを負っては、それはとても困難なことであろうと考えます。

 

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