成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

オーナー経営者のための組織人事管理② 「ダウンサイジングとアウトソーシングという選択」

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前々回の記事では、ファミリービジネスの組織人事面での功罪を書きました。

 

人材という経営資源は、ジャスト・イン・タイムで売り買いできるものではありません。また、国によって違いはあるものの、一定の労働法規制の下に労働市場が置かれているわけですから、組織人事の環境即応というのも、そうそう上手くはいきません。

 

その結果、パブリックカンパニー(株式公開企業)では、比較的短期の業績評価が株主の声として上がってきますから、オーナーシェアが低ければ、日本の場合では「希望退職募集」等のリストラ策、「早期退職制度」の整備といったアクションプログラムが恒常化するわけです。

 

一方、ファミリービジネスの場合は、理屈上はそういった近視眼的な組織外の声に左右されることはありません。トップマネジメントが、能力の如何にかかわらず、特定の人々によってしか担われないという、ある種の不健全さはあるものの、トップの判断一つですから、企業の存続にかかわる様な極端な業績不振に陥るまでは、「希望退職募集」「早期退職制度導入」の様なオプションはあまり検討されません。ですから、多くのファミリービジネスは、意外にも「人員過剰」になりがちと言えます。

 

その代りファミリービジネスの場合、「無い袖は振れない」わけですから、労働条件が悪化する、恒常的に労働条件が低水準に留め置かれるというケースが少なくないわけです。

 

しかし、これまではそれでやってこられたとしても、今後の労働人口減少社会では、いくら縁故採用が多いファミリービジネスでも、それでは組織が立ち行かなくなります。

 

そこで頭に入れておかないといけないのは、規模の追求を第一義にしないファミリービジネスなら、ダウンサイジングアウトソーシングを「戦略的」に使いこなすということではないかと思います。

 

ファミリービジネスの良さでもある、目の行き届きやすさを最大限に活かして、要になる人材をコア業務に少数精鋭で配し、同時に手厚く遇する。そのため時にはノンコア業務の「ダウンサイジング」も選択肢に入れ、切り出し可能な業務については、「アウトソーシング」を積極活用するという様なことがそれに当たります。

 

ファミリービジネスの組織人事管理は、そういう意味において、大きな曲がり角に来ています。まだこれに気付いているオーナー経営者は多くありませんが、優良な中小・中堅企業でも、人材不足で屋台骨が揺らぐといったことが、今後は現実の問題として浮上するケースも少なくないかもしれません。

 

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