成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

労基署のサービス残業是正が急ピッチ。油断が思わぬ経営リスクをまねく!

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厚生労働省のまとめによると、平成25年度の賃金不払残業(サービス残業)に関わる是正結果が発表になっています。

 

それによると、是正対象企業数は1417企業で対前年度比140企業増、対象労働者数は11万4880人で対前年度比1万2501人増、支払われた割増賃金の合計額は123億4198万円で対前年度比18億8505万円増となっています。是正企業数、対象労働者数で約10%増、支払われることになったサービス残業代で約15%増ということになります。

 

「平成25年度」ですから、ブラック企業問題にスポットが当たった時期と重なるということもありますけど、その後の雇用環境の改善なども勘案すると、「申告監督」は暫く増えるでしょうから、サービス残業是正の数字も高止まりするのではないかと思います。

 

このデータで注目したいのは、「是正対象企業あたりの平均対象労働者数」と「1社当たりの平均サービス残業代支払額」。前者が約81人で、後者が約870万円となっています。

 

前者からわかるのは、対象労働者数=従業員数ではないものの、通常は特定部署だけ未払残業代があるとは考えにくいわけですから、100人未満の企業でも未払残業代の是正は結構行われているということです。私が知っているだけでも、この時期に巨大飲食チェーン等でも未払残業代の是正勧告がありましたから、逆に1社平均以下の規模の企業だからと言って、「サービス残業代を支払わされることなどない」と高を括ることはとても危険だとわかります。

 

また後者は、未払残業代の是正を求められると、その金銭的ダメージも決して小さくないということを示しています。特に労働集約型の中小企業などが是正を求められた場合、資金繰りも含め一気に経営上のリスクが高まります。

 

これらのサービス残業是正案件の内、労働条件管理について見直し、労使で話し合い、合意形成されていれば、防げたであろうものは実はそんなに少なくなっただろうと私は思います。

 

労働環境、人事労務管理を取りまく環境変化に対応するために、戦略的に社会保険労務士を使いこなす。それも、現代の経営層に求められる能力の一つだということを感じさせるデータです。

 

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