成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「軍師官兵衛」の黒田家を支えた「異見会」。生き延びる技術としての「社員総会」「ブレーンストーミング」。

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今年の大河ドラマ軍師官兵衛』の黒田官兵衛の時代か、あるいはその嫡男で福岡藩初代藩主の黒田長政の世か定かではありませんが、外様大名として幕末まで生き残った黒田家では、「異見会」別名「腹立たずの会」というのが開かれるようになったと言われています。

 

「異見会」は、現代の「社員総会」の様なものと言えるかもしれませんし、運営ルールに注目すると「ブレーンストーミング」に近いものと言えるかもしれません。

 

運営ルール、つまりは「掟」は、次のように定められていたそうです。

・異見会には(身分を問わず)誰が出席してもよい、

・異見会は、月の上旬、中旬、下旬の三回設ける、

・会議の場は大広間とする、

・異見会では人と違った意見を述べること、

・その際には身分を忘れること、

・意見を言い合っても大広間を出たらシコリを残さないこと、

・上席者は下位の者から耳の痛いことを言われても報復しないこと、

・意見を言い合う中で露わになった機密は異見会以外に漏らさないこと、

など。

 

封建社会の「藩」というのはまさしくオーナー企業ですが、それが300年も生き延びるには、オーナーの暴走やメンバー間の争いを鎮める機能が必要であり、風通しの良いガバナンスのための装置があった方が良い。「異見会」はその象徴的なものと見ても良いと思います。

 

江戸時代には「三大御家騒動」というのがあったそうで、伊達騒動、加賀騒動と並んで、「黒田騒動」がそれに数えられます。長政の次の藩主・忠之の代の御家騒動ですが、これは暗愚な忠之を諌めるため、ついには忠之が幕府に謀反を企てていると黒田家の重臣が公儀に訴え、一旦藩を改易の危機にさらし、その後無実を証明して、暗愚な藩主を幕府の統制下におきながら、御家存続を図ったものです。まさに「高等テクニック」ですが、これこそ「異見会」のカルチャーが生み出した生き延びるための技術でしょう。

 

現代の企業、特にオーナーカンパニーの統治にぜひ活用したい「社員総会」や「ブレーンストーミング」の原型は、既に400年前に日本の組織の知恵として存在したわけです。ちょっとビックリですね。

 

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