成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

サイバーエージェントの「macalon(マカロン)パッケージ」って何だ?女性が長く働き、活躍するための新人事制度とは?

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日本の人事部「HRアワード」というイベントがあります。2014年の今年も様々な人事分野の取組み、書籍、サービスがノミネートされています。

 

企業人事部門で注目なのが、サイバーエージェントの女性社員向け新人事制度「macalon(マカロン)パッケージ」です。これは、女性が長く働き、活躍することができる職場環境を目指し、2014年5月から導入されたもので、「macalon」は、「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」の語呂合わせ。 女性社員比率が32%、女性社員に占めるママ社員比率が14%、2014年度の産休・育休後の復帰率が96.3%(2014年3月現在)を背景に、今後さらにママ社員の増加が予想されるため、次の5つをパッケージ化して支援制度としています。

 

①エフ休(エフ=FemaleのF)

女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇。今後、通常の有給休暇も含め、女性社員が取得する休暇の呼び方を「エフ休」とすることで、利用用途がわからないようにし、取得理由の言いづらさ、取得しづらさを排除します。

②妊活休暇

不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に、月1回まで取得可能な特別休暇。急な通院や体調等に考慮し、当日取得が可。本休暇取得の際には「エフ休」という言葉を使用することで、周囲に知られず取得が可能。

③妊活コンシェル

妊活に興味がある社員や、将来の妊娠に不安がある社員が、専門家に月1回30分の個別カウンセリングで相談できる制度。このほかにも、専門医による社内セミナーの開催およびクリニックの紹介を実施。

④キッズ在宅

子どもの急な発病や登園禁止期間など、子どもの看護時に在宅勤務できる制度。契約した労働時間を上限に利用が可能。

⑤キッズデイ休暇

子どもの入園・入学式や親子遠足、参観日といった学校行事や記念日に取得できる特別休暇。年に半日休暇2回の取得が可能。

 

これらは社員がワーク・ライフを充実させながら、長期に働くための会社づくりの象徴的なアクションと言って良いのではと思います。もちろん規模や業種業態など様々な要素がありますから、こういう取り組みが「ベストプラクティス」だなどというつもりはありません。基本的に人事制度というものは、どこまで行っても個別組織に対して「カスタム」であるべきだろうと私は考えています。

 

ただどの企業にとっても、これからの労働人口減少社会において、「優れた人的資源」をどう蓄積し、維持するかは生命線には違いない。それを達成するためには、まず社会の動向・情勢を踏まえた上で、自社にとっての「優れた人的資源」の再定義から始める必要があるのではないかと思います。仮に自社が望んでも希少性の高い人的資源はなかなか獲得できません。多くの企業が成長できない要因は、そういう状況下で「代替可能な人的資源」というものをスクリーニングしようともせず、そこにリーチしようともしないことにあります。

 

その再定義された「優れた人的資源」を基に、それを蓄積・維持しながら、コストと収益の最適解を求めていく。そのプロセスで、自社にとって最適な人事制度をどうカスタムで創り上げていくかというのが、中身は兎も角、成長戦略の実行に大きく関わってきます。少なくともそういう一つの形を、このサイバーエージェントの施策から理解しておくおことは、すべての人事労務に携わる人にとって、有益ではないか。そう私は思います。

 

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