「たかの友梨ビューティクリニック」の未払賃金に労基署の勧告。頻発するサービス業の「自傷行為」。
先日は私の労働問題解決ブログの方で、関西でマッサージチェーンを展開する「Relax」の有休取得時賃金未払とその書類送検を取り上げましたが、今度はエステの「たかの友梨ビューティクリニック」で、同様の事案の労基署是正勧告があった様です。毎週毎週この種の問題が表に出てくるのも、時代の変化を感じさせます。
今回の事案は、「たかの友梨ビューティクリニック」の仙台店が、有給休暇を取った従業員の残業代を減額したなどとして、仙台労働基準監督署が是正勧告したもの。「固定残業代」を含む給与体系であるのにもかかわらず、有給休暇取得日数分がそこから不当に減額されていたということです。
「たかの友梨ビューティクリニック」を経営する株式会社不二ビューティは、8月5日付で是正勧告を受けた事実を認めた上で、「通常の休みだと勘違いし、計算を誤った。勧告を真摯に受け止め、適正な労使関係の確立に取り組む」としています。慢性的な人手不足のため、有休取得時の賃金を払わず、有給休暇そのものを取得させ無い様にしようとし、3回の行政指導にも従わずに刑事手続きに進んだ「Relax」のケースと比べれば、あくまで報道ベースの話ですが、悪質でなさそうです。
しかしこのケースでも従業員4人が労基署に申告するに至って、「申告監督」⇒「是正勧告」となっているわけですから、現場のモチベーションと雇用管理、人材採用に与えるダメージは決して小さくないでしょう。
労務管理の拙さがサービス品質の悪化を招き、それが業績に直結する業界で、なぜこうも雑な労務管理が行われるのか。
どう考えても自分で自分の首を絞めているとしか思えませんが、外食における食材偽装の問題同様、本部が現場に目標達成だけを押し付けるオペレーションがその背景にあるのは間違いないでしょう。
「報・連・相」「目標管理」のあり方、人事評価の形など、今まさに超人手不足時代のサービス業に、抜本的な人材マネジメントの見直しが要請されている。そう私には思えてなりません。
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