成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

できる「企業内社労士」は「労使関係」を改善し、「組織力」を高める。って言い過ぎか?

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現段階で、表題の前段は私の仮説に過ぎません(笑)。しかし全くの見当違いだとも思ってはいません。

 

先週、懇意の公認会計士お二人と久しぶりに会食したのですが、そのうちのお一人が、「監査法人でさえ、エース級の人材を人事に配置しないとダメだ」とおっしゃっていました。

 

リクルートをはじめ、成長ドライブをかけ続ける事業会社においては、「エース級の人材には一度は人事をやらせる」「エースこそ人事に持って行く」という企業は少なくありません。私もこれについては支持するところなのですが、事業会社だけでなく、大手監査法人の様なプロフェッショナル・ファームでも、もののわかった人は、同じように考えるのだなと、少し驚きがありました。

 

しかし彼が語る理路も、「エースを人事に」という考えを支持する私の所見も、基本的に何らの違いもありません。簡単な理屈なのですが、おわかりになるでしょうか?

 

どんなに優秀な人材でも「プレイヤー」としては、他人の倍働く人はいても、他人の3倍働くという人はあまりいません。

 

しかし組織人事を担う立場に、「プレイヤー」として実務に通じ、外部環境から今後自らの属する組織に求められべきところを構想する力があって、その構想(あるいは戦略)のための適切な人的資源の管理を実行できる人材がいるとしたら、仮に1000人の組織で個々の生産性を10%高めるだけで、その人は100人分の仕事をしたことになります。だから「エースを人事に」というのは、一定規模に達した企業では、かなり汎用性の高い経営上のオプションだと私は思っています。最もレバレッジをかけられるオプションであるわけですから。

 

ただ少し考えておかないといけないのは、ここ数年の「労働問題」のクローズアップのされ方からいっても、もう労働法を中心とする法的知識なしに、人的資源の適切な運用というのは、できなくなってしまっています。ですから、伸び行く企業で組織人事を担う人には、外部のプロフェッショナルと連携するにしても、少なくとも社労士レベルの知識は欠かせなくなっていると言ってよいと思うわけです。

 

営業やエンジンニアとして能力のある人に、組織人事を担わせていくという仕組みを持ちながら、そうした人々を「企業内社労士」としても養成して、きめ細かなコミュニケーションをベースに「労使関係」を改善。人材個々のポテンシャルを最大限引き出して、生産性を高めていくという様な流れというか、ソリューションが、本当に人事上手な会社、人事でレバレッジを掛けられる企業では、今後出てくるのではないか。そう考えています。

 

もちろん、顧問社労士をはじめ社外の人事労務プロフェショナルを上手く活用することは中小やベンチャーでは必須です。

 

しかし、ある程度のスケールの企業、中堅以上の日本の会社では、組織人事の問題・課題の発見がスピーディであること、それこそが生命線であり、成長の種でもあるわけです。組織人事のキーマンは、企業成長のキーマンになって行きます。

 

もちろんアウトソースするべきことは、アウトソースすべきですが、組織人事の根幹を担う人材は一定規模以上の組織では自前でないといけませんし、他の管理仕事と掛け持ちというのもあまりパッとしません。組織人事で手抜きしているトップマネジメントは、経営センスそのものを疑われても仕方がない。そういう時代になりつつあるように思います。

 

いわばグローバルスタンダードとは対極の考え方ですけれど、ごく一部を除いて、こちらの方が、まだまだ日系企業のマジョリティである様に私には感じられます。

 

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