成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「社員全員を人事部配属」という面白法人カヤックの面白すぎる一手は「奇策」ではなく「正攻法」。

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首都圏に比べればずっと周回遅れだった近畿圏でも、雇用環境は大幅に改善し、人手不足感随分と拡がってきました。地方はまだこれからでしょうが、中長期的な労働力不足は明確ですし、何せ少子高齢化で若年労働は逼迫していきます。

 

もちろん業種や組織風土、そして何より経営者のセンスによって、その重みづけは違ってくれでしょうけれど、「どう人を採用し」「どう人を活かすか」は、これから数年間、「何を売るか」「どう売るか」と並ぶ経営テーマであり続けるでしょう。

 

今朝はWebサービスカヤックが正社員・契約社員全員を人事部配属したというニュースを目にしました。人事部専属社員の4名を除き兼任させるという人事異動です。なるほど、ある程度名の知られた企業でオフィシャルに社員全員を人事部員にするというのはあまり聞いたことがありません。しかし、だからと言ってこれは決して「奇策」ではないと思います。

 

カヤックの施策は、人事の仕事に全員が関わることにより、会社の「じぶんごと化」が促進され、「面白く働ける制度」や「採用」への効果が出ると期待してのものの様です。これは核心をついています。カヤック以外でも組織戦略を重視する企業では、ここまで極端でなくても、「採用」「組織活性化」に部門横断で取り組むという企業は実は少なくなく、その多くが高業績という特徴があります。その意味では、このカヤックの人事異動は、むしろ「正攻法」と言えるものです。

 

これからは採用で他企業と競合するような局面がかなり増えてくると思いますが、そういう状況下でも、相変わらず「買い手市場」感覚の採用担当者が候補者の絞り込みを行い、同じく「買い手市場」感覚の経営陣が最終判断したりしていると、内定を出しても出しても歩留率が上がらない、そういう事態に陥るのはもう目に見えています。内定者に社内の魅力的な人間に次々と会わせて、「一緒に働くイメージ」を形成し「一緒に働きたいという衝動」を駆り立てていかないと、競合には勝てません。

 

下手をすると従来型の採用を行っている様な組織戦略軽視の企業は、中高年はともかく若年の「できる人材」から辞めていきますから、採用どころかその引き留めで手一杯になりかねない。そういうリスクマネジメント視点も含んで、「全員人事部配属」かどうかは別にして、カヤック流に学ぶべきところは非常に多いと私は思います。

 

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