NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観て思ったこと。
昨晩、NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観ました。元々30分番組にコンテンツ詰め込み過ぎの傾向のある番組ですが、昨日は特に酷かった様に思います。個々の取材素材が悪いわけではないのですが、最後までなにが言いたいのかよく分かりませんでした。
先日開催したセミナーでも質問が出ましたが、今般の産業競争力会議で「残業代ゼロ」という言葉が独り歩きしたせいか、そこそこ経営知識のある人でも、全く別物の「労働時間規制の適用除外」と「裁量労働制」を、どうも一緒に考えていることが多いようです。
昨日のクローズアップ現代では、サイボウズを取材して「裁量労働制」を適用可能な職種のワークスタイルと成果主義評価の話を取り上げたかと思えば、「裁量労働制」を適用できない営業職(「事業場外のみなし」は場合によってはあり得ても)の業務効率化と成果主義評価を医建エンジニアリングを例に取り上げていました。そして最後には今般の「年収1000万円以上の労働時間規制の適用除外者は総労働者の3.8%」という様な表現をするのですから、番組全体としては視聴者を単に混乱させるだけの様に思えます。
まだ最終的な法案にもなっておらず、来年の通常国会で法案成立、再来年の春施行が最短スケジュールでしょう。であるなならば法案の骨格が固まったらNHK特集あたりで、「法制度」の話と「(成果主義の)人事評価」の話とを仕分けし、さらに法制度の中の「労働時間規制の適用除外」と「裁量労働制」を仕分けして、きちんと使用者側にも労働者側にも伝わる番組を作ったらどうでしょうか。それこそOBなんだから、プロの監修下で、池上さんにでも解説してもらうと良い。あれで終わりなら、受信料の使い方が間違っていると思います。
視聴者の多くは労使どちらかの側にいるわけですから、NHKの役割としてそれ位の扱いをしてもおかしくないテーマだと思うのですが…。
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