成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

儲かり続ける組織の「賢い社労士活用法」

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最近、社労士の合理的な活用法について質問を受けることが多いので、一度整理しておこうと思います。

 

他の社会保険労務士の先生がどう考えておられるかは知りませんが、私は組織サイズを3つに分けて社労士活用法をご提案しています。ざっくりした目安ですが社員数で、①1~9人の法人、②10~49人の法人、③50名以上の法人の3つのサイズです。

 

法人を設立した場合、代表者一人であっても社会保険には加入することになりますし、1名でも雇用すれば労働保険の保険関係が成立します。ですから①のサイズでも、当然各種届出が必要になりますし、この届出を怠っていると、後々大きなダメージを被ることもあり得ます。一例を上げれば、事業主(ここでは法人)が労災保険の加入手続きを怠っていて、その怠っていた期間に労災事故が発生すると、労働者は勤務する法人が労災加入手続きをしていなくても、労災の給付を受けることができますが、事業主(法人)は「故意」に手続きを行わなかった場合、労働者が受けた労災給付額の100%を徴収されることになり、場合によってはその額が数百万円にものぼって、一発倒産の可能性さえでてきます。この制度強化が行われたのは、平成17年からですが、起業したての人が相談相手に選ぶ先輩経営者は、殆どがこうした近年の社保や労保、労務コンプライアンスにかかわる官公署の制度強化に認識がないので、「社労士のお世話になるのはもっと大きな会社になってからで良い」などと後輩にアドバイスします。しかし、そういうのを真に受けているとんでもない損害を被ることになりかねないわけです。

 

とは言え、起業したてや10名未満の小さな所帯では経費を低く抑えたいのもご尤もなことです。弊所ではこれまでは個別対応してきたのですが、来月からこうしたニーズに、スポット業務+αで応える「起業パック」の様な対象限定のメニューを始めようと思っています。最低限のリスクヘッジと、未経験者がやると必ず間違う給与計算のチェックなどをパッケージにして、「プレ顧問契約」の様なサービスを提供するつもりです。

 

②の10~49人という規模の組織であれば、労保・社保手続き、労務管理のフルバージョンの「顧問契約」をし、「給与計算のアウトソーシング」も社労士に任せるというスタイルが一番効率的だと思います。10名になると就業規則の労基への届出も必要になりますし、当然賃金規程の整備も必要になる。これらの作成は顧問契約とは別途になるでしょうけど、それらを払っても、「顧問契約」「給与計算のアウトソーシング」とセットの年間費用は、総務人事経験ありの人材の年収の3~5割程度で収まるはずです。この規模になると、経理財務はクリティカルな問題も多いので、できれば中に人材を抱えるべきですけど、総務人事のプレイングマネージャーを抱えるのはまだ勿体ない。社労士をアウトソーサーとしてフル活用するのに最も適しているのがこのサイズの法人だと私は思います。

 

③の50名以上の法人であれば、私が経営者なら、社労士資格ホルダーを総務人事担当に採用して労保・社保手続きは内製化し、外部の社労士には、従業員数の増加で必ず起こる労務トラブル予防、モチベーション・マネジメントや組織の士気向上につながる人事諸制度の整備に強い人を選びます。労務相談のみの「顧問契約」を結んで、特別な業務が発生した場合等にはスポットで業務を依頼する様なフォーメーションが良いでしょう。現在国会審議中の法定化予定の年に1回のメンタルヘルスチェックもそうですし、現在でも障害者雇用、産業医の専任など、50名を境に労務管理はレベルアップを求めるられるのが現在の労働法制です。ですから50名を超えれば、総務人事担当には社労士資格ホルダーを選び、顧問社労士との連携と補完でコンプライアンスを確立するのは勿論、コストをかけても余りあるだけの組織・人材の充実によるリターン獲得に注力するというのがあるべき姿だと思います。

 

本来こういうのは社労士会や社労士会連合会が広報していくべき内容なんでしょうけど、あまりやってない様に思いますので、整理してみました。もちろん主観による部分は大きいのですが、ユーザーオリエンテッドという意味ではそんなに外していないのではと思っています。

 

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