成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

「欠員補充の採用こそコストだ」。だから伸びるIKEAの人材投資とESI人事。

多くの流通小売でもパート従業員の正社員化は進められていますが、イケア(IKEA)・ジャパンでも9月から2400人のパートを正社員化するとともに新人事制度を開始したそうです。それは、純日本型でもなければ、米系企業にありがちな「アメリカン・スタンダ…

伸びる会社は「エンプロイアビリティ」の共創ために「採用」「人事制度」を変革していく。

労働問題解決ブログの方でも書きましたが、この国の労働政策は「グローバリズム」の下で、「職業教育」をどのセクターが、どう担うのかという根本的な問題を棚上げにしたまま、「職務型(ジョブ型)雇用」へと舵をきっていくことになりそうです。 ただし、高…

“ミスター牛丼”吉野家・安部社長退任の辞とサービス業再生の労使関係。

“ミスター牛丼”吉野家の安部社長は、現代の優れた経営者お一人だと以前から尊敬していました。その安部社長が退任されるに際して、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応えておられます。 安部氏は、まず人口減少社会における外食産業の単価アップ、従…

サイバーエージェントの「macalon(マカロン)パッケージ」って何だ?女性が長く働き、活躍するための新人事制度とは?

日本の人事部「HRアワード」というイベントがあります。2014年の今年も様々な人事分野の取組み、書籍、サービスがノミネートされています。 企業人事部門で注目なのが、サイバーエージェントの女性社員向け新人事制度「macalon(マカロン)パッケージ」で…

手段としてのIPO(株式公開)と社労士の役割。ガバナンスの確立が成長と幸福を招く。

先日高校の同窓会で会った同級生の公認会計士から最近のIPO(株式公開)準備の動向を聞く機会がありました。またぞろ証券会社主導で出鱈目なIPOブームが起きそうな匂いがプンプンします。 IPOは当然市場からの資金調達が主たる目的ですから、その…

政府が“スーパー・フレックスタイム制”を検討中。しかしそれは「大人の組織」にしか使いこなせない。

政府が、「1ヵ月超」の「清算期間」で運用できるフレックスタイム制のための法改正を検討しているというニュースが流れてきました。これを仮に“スーパー・フレックスタイム制”と名付けることにしましょう。 現行の「フレックスタイム制」は「1ヵ月」を上限と…

「たかの友梨ビューティクリニック」の未払賃金に労基署の勧告。頻発するサービス業の「自傷行為」。

先日は私の労働問題解決ブログの方で、関西でマッサージチェーンを展開する「Relax」の有休取得時賃金未払とその書類送検を取り上げましたが、今度はエステの「たかの友梨ビューティクリニック」で、同様の事案の労基署是正勧告があった様です。毎週毎週この…

「成果主義」「インセンティブ」が日本企業で効きにくい理由。新たな日本型賃金報酬制度とは?

かつて持て囃された「成果主義」の失敗については、例を挙げるのにきりがないほどですし、それと反対に、「インセンティブ」部分の大きい報酬制度の導入で会社が持続的に成長しているという例は、一部の特殊な業種や職務(例えば訪販の化粧品会社の営業など…

「短時間労働×ワークシェア」も選択肢。労務管理をフルスクラッチで見直し、超人手不足時代を乗りきる。

社会人経験のある主婦に特化した事務職の人材派遣が伸びているという記事を見かけました。 私も過去に管理部長を務めた会社で使ってみたかったのですが、経験が浅くても「フルタイム派遣」が大好きなトップマネジメントの反対にあって、その時は導入を見送っ…

「学習する組織」を創るために。リーダーが心に留めるべき二つのこと。恩師から贈られた言葉より。

昨日、高校卒業30年の同窓会がありました。出席者数は4割の約80人でしたが、医療、学術研究、ビジネスを中心に各界で活躍している学友、そして恩師の皆様が母校・大阪星光学院に会しました。 30年前と変わらぬ恩師お二人のご挨拶は、非常に重みがあって、ぶ…

「退職コスト」再考。超人手不足時代の「できる経営者」は、まず組織の「保全」「再起動」に注力する。

何度か書いていますが、日本企業の特徴として総じて、「採用費」という財務会計上のコストは頭にあっても、「退職コスト」という管理会計上の概念に対しては意識が希薄です。 人材採用にコストをかけることにはシビアながら、人が辞めていくことには鈍感で「…

医療現場の人事労務管理について。「医療労務コンサルタント研修」に欠けているものとは何か?

私の仕事は、言うまでもなく、日常的には企業の人事労務管理に関するものが中心です。ただ、私自身は全くの門外漢ながら、中学・高校の同級生の約2割が医師ということもあり、医療現場の話を聞く機会も多いので、遅まきながら「医療現場」の労務管理について…

米国型人材マネジメントは「人のチカラ」に期待しない。自社の人材マネジメントはどうあるべきか?

従来、日本の経営者には「組織」「人事」に通じた人が多かった言われています。実際今日程経営環境の変化が激しくない時代には、メーカーや商社では、次世代の「経営者」と目される人材に、子会社の社長や人事部門を経験させた後ボードメンバーとし、そこか…

提訴された厚生労働省認定「若者応援企業」。どうすりゃいいのさ、「ホワイト証明」。

厚労省が認定した「若者応援企業」のIT会社に就職した24歳の女性が、会社と派遣先を相手取り、賃金や慰謝料など約500万円の支払を求め東京地裁に提訴したという記事を目にしました。いや~、それにしてもほぼ毎週こうした記事が出ますね。 情報が少なすぎる…

超人手不足時代の「採用力向上プロジェクト」(3) ~労使関係のデザインにどう踏み込むか~

これまでが「人余り」時代であっただけのことで、一度「人手不足」となれば、採用はもはや営業と同じく、戦略、戦術を駆使して臨まなければならない修羅場と化します。 当たり前ですが、採用する側に、入社して働いてもらうための「魅力」がなくてはどうにも…

「すき家」労働環境改善に関する第三者委員会。「ビジネスモデル」「組織人事」のプロ不在では意味がない。

「ブラック企業大賞」のノミネートを避ける様に7月31日、「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が発表されました。 提言に書かれていることは至極ご尤もなものですし、どれもこれも実行した方が良いものであるのは間違ありません。…

サントリーのパワハラ訴訟から考える企業防衛法。決め手は「予防」と新しい「賠責保険」。

サントリーホールディングスの男性社員が上司からパワハラを受けて休職を余儀なくされ、同社と上司らに2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が昨日7月31日東京地裁であった様です。裁判長はパワハラを認め、同社と上司に297万円の支払を命じました。サント…

超人手不足時代の「採用力向上プロジェクト」(2) ~「柔らかな働き方」を追求して優秀な人を採る~

中小企業やベンチャーの採用のお手伝いをしていて一番困るのは、経営者が自社の「採用力」に対して客観性を欠いている場合です。これからの「超人手不足時代」では、この辺りのセンスの有る無しが、経営者の資質としてクローズアップされてくるでしょう。 「…

ワタミの再生は至難の業。社長が「労使関係は基本的に存在しない」という発言するようでは…。

ワタミの桑原豊社長への東洋経済のインタビュー記事を見て、正直この人がトップではワタミの再生は難しいと感じました。 私はアンチ・ワタミではなくて、「和民」はあまり使ったことがありませんけど、焼き鳥業態の「炭旬」などはどちらかというと好きですし…

超人手不足時代の「採用力向上プロジェクト」(1) ~「ホワイト証明」という入り口~

想像以上のスピードで「超人手不足時代」が進行しています。新卒採用では昨日のこの読売新聞の記事を見ても分かる通り、2015年新卒採用で一気に「売り手市場」に反転。中小やベンチャーの採用難は鮮明になってきています。 この流れは当然第二新卒を中心とす…

「採用担当」の過労死を心配してしまう「新卒採用」の過熱ぶり。「人事」まかせからの脱却がキーワード。

2015年新卒がほぼ峠を越えたかと思えば、2016年新卒のインターンシップが酣です。 2015年新卒が峠を越えたと言っても、採用目標人数に達しない企業はまだ継続して採用活動をしていますし、今年の様に一転「売り手市場」になると、何より「内々定者」のフォロ…

「NPO法人労働者を守る会」の会員社労士を顧問にすることのメリットとは?

この度「NPO法人労働者を守る会」に入会させて頂くことになりました。昨日会った大阪の社労士さんには「企業、事業主側から敬遠されないか」と心配されましたが、ご厚意には大いに感謝しつつ、「全く心配ご無用」とお答えしました。 それは何故か? 今現に顧…

「コミュニティ・ユニオン(合同労組)」に対する理解は、最早経営者の必須知識。

仕事になるならないは別にして、相変わらず企業側(使用者側)からのスポットのご相談事として多いのが、「コミュニティ・ユニオン(合同労組)」にまつわるものです。中小企業や私が接点の多いベンチャー企業の場合、「組合を作ることを認めた覚えもないの…

「従業員持株会」を人材マネジメント上のスキームとしてどう活かすか。

「従業員持株会」は、ファイナンスやタックス(節税)上のスキームとしては頻繁に語られます。しかし実際には、人材マネジメント、HRM上のスキームとしても、とても大きな意味を持つのに、それについてはあまり研究されてこなかったのではないか。そう私…

「情報漏洩」防止のための労務管理。ベネッセ型(外部再委託型)より怖い退職者漏洩型。

ベネッセの「個人情報漏洩問題」が大きな話題となっています。今回のケースは子会社から外部業者への再委託のところで名簿が流出したもののようですから、間接的にはともかく、直接には労務管理上の問題ではありません。 しかし、入退社の多い企業を中心に、…

成長する組織の「人材マネジメント」は「政略」「戦略」「戦術」の三つのレベルで考える。

高校時代に、受験勉強も放り出して司馬遼太郎の歴史小説にはまった時期がありました。普通の司馬ファンというのは『竜馬がゆく』から入っていくのでしょうけど、私の場合、何度も読み返したという意味では、幕末の洋学者で戊辰戦争の新政府軍を指揮し、短期…

「働き方・休み方改善コンサルタント」を政府が来年度導入予定。WLB施策だが、採用にこそ活かしたい。

先日労働側の視点で労働問題解決ブログの方でも取り上げましたが、「朝型勤務」などの働き方改革について、労務管理の専門家による無料相談窓口を全国に設けるべく政府が検討しており、厚労省が27年度予算の概算要求に費用を盛り込む見通しだとのことです。 …

「社員全員を人事部配属」という面白法人カヤックの面白すぎる一手は「奇策」ではなく「正攻法」。

首都圏に比べればずっと周回遅れだった近畿圏でも、雇用環境は大幅に改善し、人手不足感随分と拡がってきました。地方はまだこれからでしょうが、中長期的な労働力不足は明確ですし、何せ少子高齢化で若年労働は逼迫していきます。 もちろん業種や組織風土、…

「ダンバー数」を意識した人材マネジメント。ホールディング×分社化、アメーバ経営の効用には理由がある。

イギリスの人類学者、進化生物学者であるロビン・ダンバーが定式化した「ダンバー数」は、人間にとって平均150人(100~230人)が「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」であるとするものです。 私もこれについては、経験的には非常に妥…

「退職給付」はどうあるべきか。求めるワークスタイルとシンクロしてますか?

今日は「賃金後払い」の性格を持つ「退職給付」のあり方について。 私が以前に管理部長を務めた企業では、私の転職前から「確定拠出年金」をやっていました。私は、その事務処理の大変さと、関与する金融機関の手数料等を考えると、全くメリットがないから止…