成長企業の労使関係デザイン@特定社労士

リクルートグループに学び、ITベンチャー・急成長メーカー・創業100年商社で試した、大阪・梅田の実践派特定社労士が労使関係管理と人事労務管理の極意を伝授!「組織の成長」と「個人の幸福」の相互作用が未来を創る!!

人事労務管理ケーススタディ

その後の「たかの友梨ビューティクリニック事件」。危機管理の基本が問われているのに。

残業代未払からパワハラ騒動へと発展していた「たかの友梨ビューティクリニック」の労働トラブルですが、新たな展開が出てきました。 「弊社従業員への謝罪及び弊社の労務環境改善に向けた取り組みについて」というプレスリリースが出て、一件落着かと思いき…

シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」 ①「メンバーシップ型(組織構成型)雇用」とは何か

週一位のペースで、シリーズ「次世代型人事労務管理を求めて」と題して書いていきたいと思います。今日はその第一回で、人事労務管理の前提となる「雇用のあり様」についてです。人事のプロですとか、人事コンサルですと自称する人は、この議論をすっ飛ばし…

「医師」「法曹」「教員」「看護師」の人員需給ギャップ。文科省の「集団浅慮」から学ぶ。

現在の「医師」「看護師」不足と将来的な「看護師」過剰、「法曹」人口の過剰、一時的な「教員」不足と2021年以降の「教員」過剰…。医療・司法・教育など、これら国家の基礎に関わる分野で、人材養成の制度的不備を作り出しているのは、現状では文部科学行政…

「欠員補充の採用こそコストだ」。だから伸びるIKEAの人材投資とESI人事。

多くの流通小売でもパート従業員の正社員化は進められていますが、イケア(IKEA)・ジャパンでも9月から2400人のパートを正社員化するとともに新人事制度を開始したそうです。それは、純日本型でもなければ、米系企業にありがちな「アメリカン・スタンダ…

“ミスター牛丼”吉野家・安部社長退任の辞とサービス業再生の労使関係。

“ミスター牛丼”吉野家の安部社長は、現代の優れた経営者お一人だと以前から尊敬していました。その安部社長が退任されるに際して、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応えておられます。 安部氏は、まず人口減少社会における外食産業の単価アップ、従…

サイバーエージェントの「macalon(マカロン)パッケージ」って何だ?女性が長く働き、活躍するための新人事制度とは?

日本の人事部「HRアワード」というイベントがあります。2014年の今年も様々な人事分野の取組み、書籍、サービスがノミネートされています。 企業人事部門で注目なのが、サイバーエージェントの女性社員向け新人事制度「macalon(マカロン)パッケージ」で…

手段としてのIPO(株式公開)と社労士の役割。ガバナンスの確立が成長と幸福を招く。

先日高校の同窓会で会った同級生の公認会計士から最近のIPO(株式公開)準備の動向を聞く機会がありました。またぞろ証券会社主導で出鱈目なIPOブームが起きそうな匂いがプンプンします。 IPOは当然市場からの資金調達が主たる目的ですから、その…

「たかの友梨ビューティクリニック」の未払賃金に労基署の勧告。頻発するサービス業の「自傷行為」。

先日は私の労働問題解決ブログの方で、関西でマッサージチェーンを展開する「Relax」の有休取得時賃金未払とその書類送検を取り上げましたが、今度はエステの「たかの友梨ビューティクリニック」で、同様の事案の労基署是正勧告があった様です。毎週毎週この…

「短時間労働×ワークシェア」も選択肢。労務管理をフルスクラッチで見直し、超人手不足時代を乗りきる。

社会人経験のある主婦に特化した事務職の人材派遣が伸びているという記事を見かけました。 私も過去に管理部長を務めた会社で使ってみたかったのですが、経験が浅くても「フルタイム派遣」が大好きなトップマネジメントの反対にあって、その時は導入を見送っ…

「すき家」労働環境改善に関する第三者委員会。「ビジネスモデル」「組織人事」のプロ不在では意味がない。

「ブラック企業大賞」のノミネートを避ける様に7月31日、「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が発表されました。 提言に書かれていることは至極ご尤もなものですし、どれもこれも実行した方が良いものであるのは間違ありません。…

サントリーのパワハラ訴訟から考える企業防衛法。決め手は「予防」と新しい「賠責保険」。

サントリーホールディングスの男性社員が上司からパワハラを受けて休職を余儀なくされ、同社と上司らに2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が昨日7月31日東京地裁であった様です。裁判長はパワハラを認め、同社と上司に297万円の支払を命じました。サント…

ワタミの再生は至難の業。社長が「労使関係は基本的に存在しない」という発言するようでは…。

ワタミの桑原豊社長への東洋経済のインタビュー記事を見て、正直この人がトップではワタミの再生は難しいと感じました。 私はアンチ・ワタミではなくて、「和民」はあまり使ったことがありませんけど、焼き鳥業態の「炭旬」などはどちらかというと好きですし…

「従業員持株会」を人材マネジメント上のスキームとしてどう活かすか。

「従業員持株会」は、ファイナンスやタックス(節税)上のスキームとしては頻繁に語られます。しかし実際には、人材マネジメント、HRM上のスキームとしても、とても大きな意味を持つのに、それについてはあまり研究されてこなかったのではないか。そう私…

NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観て思ったこと。

昨晩、NHKクローズアップ現代『働き方はどう変わる~“残業代ゼロ”の課題~』を観ました。元々30分番組にコンテンツ詰め込み過ぎの傾向のある番組ですが、昨日は特に酷かった様に思います。個々の取材素材が悪いわけではないのですが、最後までなにが言いたい…

「ブラック企業」風評と株主総会。「業態転換」の前に「労使関係改善」ではないのか?

産経新聞がワタミの株主総会の様子を伝えています。同新聞お得意のワタミのペイドパブリシティかと思う様な提灯記事ですが、創業者の渡辺美樹氏が26年3月期の業績について、「『ブラック企業』との風評が広まり、居酒屋の客足だけでなく介護や食事宅配サービ…

儲かり続ける組織・リクルートへの「いわれなき批判」再び。それでも追随を許さぬ労使のカタチ。

株式公開が近いとされるからなのか何なのか、今年に入って儲かり続ける組織・リクルートへの批判が相次いでいます。この道はいつか来た道。されど、よくは知りませんが、リクルートの現経営陣はリクルート事件時代の経営陣よりはるかに「大人」で「クレバー…

Wの悲劇。ベンチャーの雄はどこで間違え、どこに行くのか?

かつてのベンチャーの雄、ワタミが「ヒト」で苦しんでいます。今回はそのケーススタディを。 2014年3月の連結決算は税引後損失49億円。営業損益での対前年▲29億円に、閉店する店舗の特別損失▲26億円が加わって1996年の上場以来初の赤字。この4月にワタミに入…